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参院選2022 争点「物価高」

  2022年7月2日 カテゴリ:コラム


参院選いよいよ

 7月10日投開票となった、2022年の参院選。にわかに注目を集めている争点が「物価高」です。自民党や岸田総理が「物価高が争点」と言明したことで、にわかに注目を集めていますね。発言後、ただちに否定したものの、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が「家計の値上げ許容度が高まっている」と発言したことも注目材料のひとつかもしれません。

物価高、実感していますか?

 我々が物価高を許容しているかどうかは別にして、あらゆるものの値段が上がっていることは皆さん実感していると思います。 ガソリン、電気代などのエネルギー、または日常の生活に使う食料品にも影響が出ています。
 物価高は、さまざまな要因が重なり起きています。エネルギーや元の材料を輸入に頼るものは、円安の影響を受けています。エネルギー資源が高騰するということは、ものをつくるコストも上がっているので、企業努力でまかなえない部分は、私たちが購入する最終価格に転嫁されます。ポテトチップスやマヨネーズなど、おいしい食材も最近値上げのニュースがありました。

物価高は小手先の施策では収まらない

 ロシアのウクライナ侵攻、世界経済の回復にともなう需要の高まり、その割に、OPECなどの石油減産基調、そして円安。さまざまな要因が絡まって、ものの値段が高くなっています。政府が「電力需給がひっ迫するから、節電してくれた家庭や企業にポイント制度を設けます」と言ったところで、物価が安定するわけではありません。ポイントが実現すればうれしいけれど、根本的な解決には到底いたらないのです。給料が上がらずに、支払う経費が増えれば、使えるお金は減ります。給料が上がらない状況で物価高が続けば、回復傾向にあるとされる景気にも悪影響が出る可能性があります。

海外に頼る経済システムにも問題が

 エネルギーはもちろん、ものの生産、そして物流。経済を動かす循環を日本はほとんど海外に頼っています。生きていくための食糧も自給率が38%(2019年度、カロリーベース)ですから、首根っこを押さえつけられたまま、我々は今の豊かな生活を謳歌しているわけです。
 日本はもともと豊かな国です。教養レベルも総じて高く、きれいな水に恵まれ、森や海などの自然と共生してきた歴史があります。物価高は、こうした海外に頼る日本の経済システムの弱さが露呈している状況ともいえると思います。参院選において、物価高が争点になるのなら、物価を安定させることだけを考えるのではなく、もう少し大きな視点で「日本の弱さ」そしてこの国の未来について考えてみてはいかがでしょうか。

参院選の投票に行こう!

 7月10日投開票が行われる、2022年の参院選。前回(3年前)の投票率は48.80%で、投票率が50%を切るのは戦後2回目の出来事でした。
 今回取り上げた物価高だけでなく、憲法改正の是非も大きな争点です。改憲勢力は、自民党を中心に一部野党にもあり、こうした勢力が国会で2/3の議席数を確保するのか否かも大きな注目点です。ぜひ、頭の中を今一度整理いただいて、投票に行ってください。今回の参院選は、今まで以上に大切な選挙になります。
 そして投票の材料のひとつになるのが、候補者の選挙事務所に貼られている「為書き」。有権者の方は、ご自身の信条と共鳴する点があるかどうか、為書きから知ることも可能です。

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