地方自治を決める選挙
今年は4年に一度の統一地方選挙(以下、統一選)の年です。統一選は地方自治体の知事や市町村の首長、議員の選挙について投票日を統一し、一斉に行う選挙のこと。投票率や選挙の事務効率を高めることなどがねらいです。
しかし、統一選の意味がいま改めて問われています。それは、実施率の低下に歯止めがかからないためです。100%統一できたのは第1回目の1947年だけ。あとは、首長の任期途中の辞任や議会の解散などさまざまな事情が重なり、統一率は20回目となる今年、27%にも下がってしまいました。知事選において統一選の対象となるのは北海道、神奈川、福井、奈良、大阪、徳島、鳥取、島根、大分の9つの道府県に留まります。
下がり続ける投票率
投票率アップを大きな目的に掲げる統一選ですが、投票率も年々下がり続けています。ピークは第2回目の1951年。このとき市区町村長選挙の投票率は約90%、現在の投票率は同じ選挙で約48%と、ほぼ半減しています。これは統一選という仕組みというより、地方選に関心がなくなった人が増えたということだと思います。
皆さんは統一選に行っていますか?また、首長や議員が訴える政策に耳を傾けていますか?地方政治は、人口減少や少子高齢化の加速で、持続可能性が問われているところが多数あります。それは今や過疎部だけでなく、皆さんが知っている大都市にもその波がひたひたと押し寄せているのです。
単に「名前を知っている」「若い」などのフィーリングだけでなく、きちんとそれぞれの候補者の政策を知り、自分に合った政治家を選出することが有権者の義務と言えるのではないでしょうか。
地方選は国政の道具ではありません
統一地方選のうち、知事選は特に国政の行方が大きな影響を及ぼすようです。今回その象徴が奈良県知事選挙でしょう。保守系現職に挑む候補者はこれまた保守系。いわゆる「保守分裂選挙」です。間隙を縫うように、日本維新の会公認の候補者が名乗りを上げました。
保守系2人のうち、どちらに公認を出すか、当初その行方に関心が集まりました。国政の政治家同士の思惑が絡んでいるとのマスコミ報道があります。真実はわかりませんが、地方選挙は国政の道具ではありません。前述のように、統一選や地方選挙は、限界が指摘される地方の行方を決める重要な選挙です。「政局より政策」。有権権者はこの原理原則を忘れてはいけないと思います。
選挙と言えば為書き
選挙の時期といえば、為書き。候補者の当選を祈って贈られる為書きは応援者の思いが詰まったものです。それぞれの人の思いを乗せた為書きにもご注目いただき、今度の統一選、ぜひあなたの清き一票を「信頼できる」と思う人に投じてください。